みなさんトルコリラという通貨をご存知でしょうか?
FX投資をされている方ならトルコリラの名前は知っていても、実際に取引をしてどんな通貨なのかを知っているという方は少ないのではないでしょうか。
「トルコリラという通貨の名前を聞いたことはあるけれど、どんな通貨なのかイマイチわからない」
こんな方のために今回この記事ではトルコリラの基本情報や特徴について詳しく解説するとともに、今後のトルコリラの見通しについて解説していきます。
記事の終わりにはトルコリラを取引するためのおすすめの会社についてもご紹介していますので、ぜひ最後までお付き合いください。
- トルコリラが長期できに下がっている理由がこの記事を読めばわかる!
- トルコリラの価格は、トルコの情勢などの影響も強く受けているため、不安定な価格変動も起こる。
- トルコリラ/円を取引するなら、みんなのFXがおすすめ!
目次
トルコリラ(TRY)の基本情報
ここからはまずトルコリラの基本情報について見ていきましょう。
トルコは東ヨーロッパと西アジアにまたがる共和制の国で、日本の約2倍の面積を持ちます。
新興国のなかでも経済成長率の高い国だと評価されていて、今後も将来の成長を見込める国だと注目されています。
トルコリラは金利の高さから世界中の投資家、投資サークルからの人気が高く、日々の価格推移が多くの注目を集めている通貨です。
トルコリラ(TRY)とは
通貨としてのトルコリラには過去に幾度かの変遷があり、古くはオスマン帝国の通貨として1844年から1923年まで発行されたものがあります。
その後トルコ共和国の通貨として1923年から2004年まで発行された旧通貨、さらには2005年から2008年まで使用された新トルコリラを経て、2009年に発行されたのが現在流通しているトルコリラです。
トルコリラはトルコ共和国中央銀行によって発行されています。
トルコリラに対する補助単位としてクルシュがあり、1トルコリラ=100クルシュです。
トルコの政策金利は他国と比較して突出して高く、FXの場合は高いスワップポイントを得られる魅力があります。
トルコの情勢
トルコはイラン、イスラエルと並ぶ非アラブ諸国(アラビア語を公用語としない国)の国であり、ロシアやアジア諸国、またヨーロッパ諸国とも国土が接しており、地政学的にも重要な国です。
アメリカ、ロシア、EU諸国、さらに現在では中国といった大国からの関与、同じ中東諸国との利害の不一致などから政情あるいは市民生活は現在も混乱している印象があります。
現状でもシリア内戦やナゴルノ・カラバフ紛争、ギリシャとの緊張など紛争や戦闘に常に密接に関わっています。
オスマン帝国の後継国家として中東和平問題に強い影響力と存在感を見せており、そのことがアラブ諸国からすれば脅威に映っている可能性は否定できません。
トルコリラ(TRY)のリアルタイムチャート
トルコリラと円の為替のリアルタイムチャートです。
直近では1トルコリラが12.9円から12.6円のあたりで推移しています。
過去10年間以上の長きに渡って下降を続けているトルコリラですが、この12円〜13円のあたりは底堅く、もしかするとここが下げ止まりなのかとも思わせる動きをしています。
ただしチャートはあくまでも過去の値動きを記録しているにすぎず、未来予測の手助けはしても未来を教えてくれるわけではありません。
トルコリラ(TRY)の過去の価格
トルコリラのリアルタイムチャートを確認したところで、続いては過去の価格を見ていきましょう。
以前から継続して高い政策金利が魅力で人気なトルコリラですが、過去の価格推移はどうなっているのでしょうか。
今回は解説をわかりやすくするために過去3〜5年の値動きと、過去1年の値動きのふたつに分けて見ていきます。
トルコリラ過去3〜5年の値動き
このチャートは円との為替の2016年から2021年までの5年間の週足チャートです。
チャートをパッと一見してわかる通り、この5年間トルコリラの価格はずっと右肩下がりで下がり続けています。
5年前にトルコリラに投資した方であれば、その資産はなんと3分の1以下にまで落ち込んでしまっているということになります。
いかに長期的にトルコリラが一方通行で下落を続けているかが理解できます。
トルコリラ過去1年の値動き
このチャートは2020年7月から2021年7月までの1年間の日足チャートです。
過去1年間をズームアップしたこのチャートを見ると、下げる一方だった5年間のチャートとはかなり違った印象を受けます。
トルコリラは2020年の11月に下げ止まり、短期的に見ればそこから一時期上昇しましたが、2021年3月に再び大きく下落し、そのまま現在も再び下落トレンドにあります。
前回の安値の12円のあたりでもう一度抵抗するのか、それともここもまた無視してさらに落ち込んでいくのか、注意が必要です。
トルコリラが長期的に下がっている理由
過去5年間のチャートを見て、トルコリラが長期的に下がっていることがわかりました。
ではなぜトルコリラはここまで長期的に下がり続けているのでしょうか。
その理由はトルコ国内の政治的要因、アメリカや近隣の中東諸国との関係をはじめとする地政学的な要因、政策金利やトルコの生産力を含む国力そのものといったさまざまな要因が複合的に絡み合っているといえます。
ただそのなかでも、物価が上昇すれば通常は該当の国の中央銀行が政策金利を引き上げて価格を安定させますが、トルコではエルドアン大統領が中央銀行の政策にも積極的に介入し、これまで利上げを止めてきました。
その結果トルコリラは売りが進み、売りがさらなる売りを呼ぶ形になっているというのが一番の理由ではないでしょうか。
トルコリラ(TRY)の特徴
ここまでトルコ及びトルコリラの基本情報と、過去の価格の推移を見てきました。
ここからはトルコリラの特徴について解説していきます。
トルコリラの特徴といってまずみなさんが思い浮かべるのは、トルコリラは高金利通貨だということではないでしょうか?
トルコリラの特徴として高金利通貨であること、そしてトルコの高いインフレ率、このあたりの背景も含めて、掘り下げて見ていきましょう。
- 高金利通貨として知られる
- トルコはインフレ率が高い
- 貿易赤字が続いている
高金利通貨として知られる
トルコの現在の政策金利は2021年4月にトルコ中央銀行が19%で据え置くことを発表しており、この金利の高さは我が国日本とはもはや比較にならず、主要先進国の中でも群を抜いて高いものです。
金利が高いということはFX取引においては金利の低い通貨との通貨ペアによって、その金利差から得られるスワップポイントが大きな魅力になるため、現在でも世界中の投資家から継続して注目を集めています。
スワップポイントはチャートやトレードの専門的な知識を持たなくても基本的には土日を除いて毎日得られ、また少ない元手資金から始められるため、投資経験の少ない初心者の方でも比較的簡単に利益を挙げられる投資方法となります。
トルコはインフレ率が高い
現代のトルコリラの歴史は絶えずインフレとの闘いと言えるでしょう。
トルコでは2001年にドル・ペック制を廃止し、変動相場制に移行し、その後2005年にはなんと100万分の1のデノミネーションが実施され、新通貨のトルコリラが導入されました。
2009年から現在のトルコリラが使用されていますが、過去の通貨のデノミネーションからわかるように、トルコでは経済成長とともに高いインフレが起こることが多く、1980年頃から2000年頃まではほとんどインフレ率の制御ができていない状態でした。
現在のトルコリラに移行後は従来に比べてインフレが収まっていますが、国内の供給能力が低いためインフレを抑えることが簡単ではありません。
貿易赤字が続いている
貿易収支は貿易輸出額から貿易輸入額を引いた金額で算出され、当然輸出額が輸入額を上回れば黒字となり、下回れば赤字です。
トルコでは過去30年間以上に渡って貿易収支を黒字にできておらず、2021年5月の発表ではマイナス41億ドルと大きく赤字となっています。
これはトルコが石油などのエネルギー資源を持っていないために輸入に頼らざるを得ず、またあらゆる商品の生産のための機械設備もそのほとんどを輸入によってまかなっていることが理由として挙げられています。
さらには昨今の新型コロナウィルスの感染拡大によりトルコへの観光客数の激減により、経常収支も大きなダメージを被っています。
トルコリラ(TRY)の価格変動要因
ここまでトルコリラの特徴を解説しました。
ここからはトルコリラの価格変動要因について見ていきましょう。
トルコリラの価格はどんな理由で値上がりしたり、値下がりしたりしているのでしょうか。
国際情勢、トルコ国内の政治的要因、トルコの金融政策などについてポイントごとに解説していきます。
- 国際情勢
- 政治的要因
- 金融政策
- 経済指標
国際情勢
トルコに関連する国際情勢は非常に複雑です。
トルコについてはまず大前提として、もともとは今から700年以上も前、1299年にオスマン1世が建国したオスマン帝国がその前身であるという認識が重要です。
オスマン帝国は東ヨーロッパと西アジア、北アフリカの一部を支配した大帝国であり、世界の中心的国家であった歴史を持つ国です。
そのため現在でも周辺の中東諸国に対して強い影響力を持っており、そのことがアラブ諸国にとっては脅威となり緊張が続いています。
またアラブ諸国のみならず、ヨーロッパの国々、特にオーストリアでは長らくヨーロッパにとって軍事的脅威であったオスマン帝国の歴史を鑑みて、現在でもトルコに対する根強い感情的な反発があります。
また北大西洋条約機構(NATO)を巡ってアメリカとも危機的な状況が続いています。
この他オスマン帝国時代から対立の続くロシア、現在ウイグル問題で新たな緊張が走っている中国など、世界中のあらゆる大国、国家との複雑な国際情勢のなかに揺れているのが現状です。
政治的要因
トルコという国家は形式的には民主主義ではありますが、事実上は現在の国家元首であるエルドアン大統領の独裁国家と言えるでしょう。
2002年11月議会選挙での勝利以来、現在に至るまでエルドアン大統領率いる公正発展党(通称AKP)がトルコ国内の政権を担っています。
エルドアン大統領は初期には民主化を推進していたものの、2010年代以降から少しずつ舵取りを変え始め、2013年6月に発生した国内の大規模な反政府抗議運動を機に民主主義の縮小化、そして権威主義を打ち出すようになったといわれています。
2016年7月のクーデター未遂事件以来、クーデター関係者の徹底的な追放、国民に対する圧政的な政治はより色濃くなっており、エルドアン大統領への権力の一極集中がより加速しています。
金融政策
物価が上昇すれば、通常は該当の国の中央銀行が政策金利を引き上げて価格を安定させますが、トルコではエルドアン大統領が中央銀行の政策にも積極的に介入し、「利上げは景気を冷やす」とこれまで具体的な利上げを止めてきました。
その結果トルコリラは売りが進み、売りがさらなる売りを呼ぶ形になっているというのが現状です。
しかし近年トルコ国内ではエルドアン大統領への権力の一極集中に対する反発が高まっており、再びトルコ国内への民主主義を進める動きとともに、健全な金融政策の普及が期待されています。
経済指標
トルコの主な経済指標は以下の通りです。
一人あたりの名目GDP(USドル) 10,609
インフレ率 8.89%
失業率 9.5%
トルコリラ(TRY)の今後の見通し
トルコリラの今後の見通しとしては、ここまで長らく価格を下げ続けているトルコリラですが今後一転して上昇に転じるという確かな根拠がなにもありません。
FXトレードとしてのトルコリラの扱い方としては、今後も基本的には下げることを意識したショート目線で、上がったら売り、また上がったら売るというトレードが賢明だと思われます。
前回の安値、前々回の安値のラインを意識してチャートを見ていきましょう。
高金利からスワップポイントの獲得を期待するのも悪くはありませんが、価格が下がり続けているのを見ればそう楽観的に考えられるものでもありません。
アメリカ、中国との緊張、シリア北部での戦争、国内のエルドアン大統領への反発など、トルコの政情不安は大きく、今後もトルコリラが安定するにはまだまだ膨大な時間を要すると見られます。
金利を上昇させることはトルコ経済そのものにとってはマイナスになるため、目先の短期的な利上げによって為替は上昇するかもしれませんが、長期的なトルコ経済の安定のためには経済成長、インフレの抑制、経常収支の改善といった大きな課題をクリアしていく必要があります。
トルコリラ(TRY)が取引できるおすすめの取引所3選
ここまでトルコリラの基本情報、特徴などについて解説してきました。
ここからはトルコリラを取引できるおすすめのFX会社を3社ピックアップしていますので、順にご紹介していきます。
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スワップの高さにも自信を持っており、気になるトルコ円であれば現在は10,000通貨あたり45円と公表されています。
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トルコリラ(TRY)の見通しまとめ
いかがだったでしょうか?
今回はトルコとトルコリラの基本情報、トルコリラの過去の価格推移と特徴、そして最後にトルコリラの取引におすすめの会社を3社ご紹介しました。
今後のトルコ経済の安定のためには経済政策、政治、国際情勢、国内供給能力の強化など様々な課題があります。
投資という目線からトルコリラを見れば、日々チャートを注視して突発的な不測の事態に備え、うまく付き合っていく方法を模索しましょう。