借金を払えない期間が長引くほど、状況が悪化していきます。
遅延損害金や一括請求、強制執行について把握しておかないと、取り返しのつかないことになるかも…。
そこでこの記事では、借金を払えないとどうなるのかについて、わかりやすく解説します。
「借金を払えない場合に弁護士へ債務整理の相談をおすすめする理由」や、「借金を払えない人によくある質問」もまとめました。
「借金を払えないとどうなるの?」という方に役立つ情報をサクッとご紹介するので、ぜひお役立てくださいね。
- 借金を払えないと遅延損害金が生じ、最悪の場合、強制執行をされる
- 借金を払えない時には、弁護士に債務整理の相談をすることがおすすめ
- 弁護士に債務整理の相談をすると、最善の策を教えてもらえるうえ、貸主からの取り立てがストップとなる
- 新型コロナの影響で経済状況が悪化したことをふまえ、法務省も債務整理の相談を案内している
- 借金を放置しても踏み倒しができる可能性は低い
借金を払えないとどうなる?
借金を払えないとどうなるのでしょうか。
まとめて確認してみましょう。
- 遅延損害金が生じる
- 貸主から電話で請求される
- 督促状が送られてくる
- ブラックリストに入る
- 一括請求される
- 裁判所から訴状・支払督促が送られてくる
- 強制執行(差し押さえ)をされる
少しでも状況の悪化を防ぐため、借金を払えないとどうなるのかを把握しておきましょう。
➀遅延損害金が生じる
返済予定日までに借金を払えないと、遅延損害金が発生します。
遅延損害金とは、借金を払えない場合に、返済期日を過ぎた日数分だけ生じる手数料のこと。
遅延損害金の計算式は、以下の通りです。
借入残高 × 遅延損害金年率 ÷ 365日 × 延滞日数 = 遅延損害金
例)100万円 × 20% ÷ 365日 × 31 ≒ 16,986円
なお、遅延損害金の年率は、以下のように設定されているケースが多いと言われています。
- キャッシング:20.0%
- ショッピング:14.6%
遅延損害金の年率は、通常の借入金利よりも高いケースがほとんど。
借金を払えない状態が続くほど、返済が総額が膨らんでしまうので、少しでも早く借金を返すことが重要です。
➁貸主から電話で請求される
借金を払えないと、返済予定日から1~3日後、貸主から電話がかかってくるケースが多いです。
その際に、やりとりする内容は以下をご覧ください。
- 返済日に支払いが確認できなかった
- 入金予定日はいつか
貸主から電話がかかってきた際に、返済を理由に脅されることはありません。
また、返済日を伝えれば電話は終わります。
➂督促状が送られてくる
先述の➁「貸主からの電話」を放置したり、返済予定日に支払いができなかったりすると、督促状が送られてきます。
督促状とは、借金を払えない人に送られる返済を促す書面のこと。
督促状には以下の3点が記載されています。
- 未払いとなっている金額(元金・利息)
- 遅延損害金額
- 新たな返済期日
督促状が来たのに放置していると、一括請求など、さらに良くない対応をされる可能性が高まります。
そういった場合には貸金業者に連絡をすると、相談にのってくれる可能性が。
督促状が来ると家族にバレるリスクが高まるので、送られて来ないよう、注意が必要です。
➃ブラックリストに入る
借金を払えない状況となり、2ヵ月~3ヵ月が経過すると、ブラックリスト入りしてしまいます。
ブラックリスト入りとは、信用情報機関に事故情報として登録されること。
このように思われた方は、以下のブラックリスト入りすることのデメリットをご覧ください。
- 新規ローン申込が通らなくなる
- クレジットカードが使用不可となる
- 新しくクレジットカードを発行できなくなる
- 分割払いが不可となる
上記の通り、ブラックリスト入りすると、様々な面で悪影響が出てしまいます。
そのため、ブラックリスト入りする前に借金を返すことが重要です。
なお、ブラックリストから削除されるまでの期間は、借金の延滞を解消した日から5年~10年と言われています。
➄一括請求される
ブラックリスト入りした後も借金を払えない状況が続くと、貸金業者から一括請求の書面が届きます。
一括請求とは、借金全額を一度に返済するよう求められる請求のことです。
一括請求の書面に記載されている内容は、以下をご覧ください。
- 返済金額(総額)
- 返済期日
- 借金を払えない時の対応
上記の通り、一括請求を求められる際には、借金を払えない場合、どのような対応がとられるかが記載されています。
多くの場合、借金を払えないと裁判に発展するため、要注意。
裁判になると強制執行(差し押さえ)となるリスクが高まるので、さらなる状況の悪化が懸念されます。
➅裁判所から訴状・支払督促が送られてくる
借金を払えない状況が3ヵ月以上続くと、裁判所から訴状や支払督促が送られてくる可能性が高まります。
裁判所から訴状が届いた場合、借金の支払い方法を話し合う必要が。
また支払督促が届いた場合には、分割支払いで応じる旨を記載し、異議申立書を出さないといけません。
異議申立書を提出しないと、一括請求に応じなければいけない点をおさえておきましょう。
なお、異議申立書は支払督促が届いた日から、2週間以内に送付する必要があります。
支払督促が届いたのに放置していると、強制執行となる可能性が高まるので、気を付けましょう。
➆強制執行(差し押さえ)をされる
借金を払えない状況で裁判所からの通知を放置すると、強制執行をされ、給与や財産を差し押さえられます。
給与を差し押さえられると、職場に借金を払えない状況がバレ、周りの人にもバレてしまうリスクが高いです。
強制執行によって差し押さえられる給与の金額は、税金などを除いた金額の1/4まで。
強制執行の対象となる財産は、お金に換えられる価値がある物です。
例えば、不動産や車、保険、預貯金などが強制執行の対象となります。
借金を払えないとどうなるのかと不安に感じている方は、債務整理などについて、早めに弁護士へ相談することが大事。
この点については、次の見出しで解説しています。
借金が払えない時、弁護士に債務整理の相談をおすすめする理由
借金が払えない時、弁護士に債務整理の相談をおすすめする理由は、以下の3つです。
- どの債務整理が最適か教えてもらえる
- 貸金業者からの取り立てがストップする
- 過払い金の返還を受けられる可能性がアップする
ピンチをうまく切り抜けられるよう、正しい知識を身につけましょう。
➀どの債務整理が最適か教えてもらえる
借金が払えない時に弁護士への相談をおすすめする理由として、最善の債務整理についてアドバイスをもらえることが挙げられます。
債務整理は、以下の3種類に分けられます。
- 任意整理:
貸主と直接交渉して、借金の状況を改善すること。
任意整理で期待できる借金改善効果は、今後の利息の減額・遅延損害金の減額・返済期間の延長など。 - 個人再生:
借金総額を1/5~1/10程度に減らすため、裁判所へ手続きすること。 - 自己破産:
借金の免除をしてもらうため、裁判所へ手続きすること。
債務整理にはそれぞれメリット・デメリットがあり、状況によってどの債務整理を選ぶかが大切です。
弁護士は債務整理のプロなので、できる限り、借金を払えない状況を大きく改善するために助言をしてくれます。
どの債務整理が最適か教えてもらえることが、借金を払えない時に弁護士への相談をおすすめする理由です。
➁貸金業者からの取り立てがストップする
貸金業者からの取り立てが停止されることも、借金を払えない時に弁護士への相談をおすすめする理由の1つ。
弁護士が貸金業者に受任通知を送ると、貸金業者からの取り立てをされなくなります。
その理由は、弁護士があなたに代わって債務整理をしてくれるから。
取り立てがストップすることで、精神的苦痛から解放される人は多いです。
借金を払えない時に弁護士への相談をおすすめする理由として、貸金業者からの取り立てが停止されることが挙げられます。
➂過払い金の返還を受けられる可能性がアップする
過払い金の返還を受けられる可能性を上げられることも、借金を払えない時に弁護士への相談をおすすめする理由です。
2010年6月17日以前に借金をした場合、過払い金が戻ってくる可能性があります。
貸金業法改正前の金利は、高く設定されていた可能性があるため、お金が戻ってくるかもしれません。
過払い金がなくても、金利の再計算によって借金が減額になる可能性が。
過払い金の返還を受けられる可能性が高まることも、借金を払えない時に弁護士への相談をおすすめする理由です。
「借金を払えないとどうなる?」という方によくある質問
「借金を払えないとどうなる?」とお悩みの方によくある質問は、以下の3つです。
- 借金を放置し続ければ、踏み倒しができる?
- 債務整理などについて弁護士に相談するタイミングは?
- 【新型コロナなど】失業で借金を払えない場合、どうすればいい?
借金を払えない状況を改善するため、よくある質問をチェックしておきましょう。
FAQ➀借金を放置し続ければ、踏み倒しができる?
借金を放置し続け、5年、もしくは10年が経過すると消滅時効となり、踏み倒しができます。
消滅時効を迎えた後、貸金業者に消滅時効の制度を利用する旨を伝えれば借金の踏み倒しができますが、実際には難しいです。
その理由は、借金を払えない人に対して裁判を起こすと、消滅時効までの日数が0から再スタートとなるから。
これを時効の更新と言います。
貸金業者は借金を払えない人に対して、裁判を起こすケースが多く、消滅時効にならない可能性が高いです。
貸金業者から裁判を起こされると、強制執行などの措置がとられ、状況悪化のリスクが高まります。
そのため、借金の放置による踏み倒しはおすすめできません。
FAQ➁債務整理などについて弁護士に相談するタイミングは?
債務整理などについて弁護士に相談する場合、できる限り早い方が良いです。
その理由は、状況の悪化をいち早く食い止めやすいから。
遅延金損害金の拡大・財産の差し押さえなどになる前に、弁護士からアドバイスをもらえば、それだけ早くピンチを脱出しやすいです。
適切なアドバイスをもとに、素早く状況を改善できるよう、弁護士への相談は早めがおすすめです。
FAQ➂【新型コロナなど】失業で借金を払えない場合、どうすればいい?
「失業や病気など、やむを得ない事情で借金を払えないとどうなるの?」と疑問に思う方は多いです。
ですが、失業などを理由に借金が免除されることはありません。
そのため、失業などで状況が悪化した場合には、いち早く弁護士などへ相談することをおすすめします。
弁護士に債務整理の依頼をすれば、借金の減額・免除につなげられる可能性が高まるからです。
最近、新型コロナ感染拡大による失業・経済状況の悪化により、借金を払えない人が増えています。
そんな方のため、法務省は裁判所の利用によって借金を払うための方法として、債務整理を挙げています。
このような方は、法務省の公式ページも参考になさってくださいね。
法務省|新型コロナウイルス感染症の影響により借金等の返済が困難となった方へ
「借金を払えないとどうなる?」のまとめ
最後に、借金を払えないとどうなるのかについて、まとめておきますね。
- 借金を払えないと遅延損害金が生じ、最悪の場合、強制執行をされる
- 借金を払えない時には、弁護士に債務整理の相談をすることがおすすめ
- 弁護士に債務整理の相談をすると、最善の策を教えてもらえるうえ、貸主からの取り立てがストップとなる
- 新型コロナの影響で経済状況が悪化したことをふまえ、法務省も債務整理の相談を案内している
- 借金を放置しても踏み倒しができる可能性は低い
借金を払えないとどうなるのかが気になる方は、早めに弁護士に債務整理について相談することが重要です。
「借金を放置して踏み倒しを狙おう」などと考えていると、状況がますます悪化してしまいます。
新型コロナの影響などで借金を払えないとどうなるのか心配されている方も、増加中。
法務省が案内するほど、借金を払うためには債務整理が有効と言われています。
借金を払えないとどうなるのかと気にされている方は、いち早く弁護士の債務整理について相談しましょう。