アンティークコインの価値って高いの?
アンティークコインを所有している人や、これから購入している人にはこんな疑問が浮かんだ人もいるでしょう。
この記事ではそんな人に向けて、アンティークコインの機能や価値変動の要因、またそもそもなぜアンティークコインの価値は高いのかを中心に解説します。
アンティークコインの価値変動の理由を把握すれば、単なるコレクションとしてだけでなく資産運用の手段にも転用可能です。
大変役立つ記事となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
- アンティークコインには価値尺度、交換、価値貯蔵の3機能がある
- アンティークコインの価値は希少性などによって決まる
- アンティークコインの価値は変動しにくいため投資価値がある
目次
コインが持つ3つの機能
コインには主に3つの機能があります。
まずはその3つの機能を把握しましょう。
- 価値尺度機能
- 交換機能
- 価値貯蔵機能
価値尺度機能
コインは通貨としての役割を持っており、物やサービスの価格を決定する単位として扱われます。
コインが採用する単位に価格を統一することで、その単位を採用している地域内では価値尺度が統一されるのです。
これによって経済取引が円滑になり、消費者の目線からも複数の商品の価格を比較できます。
交換機能
コインを用いることで、どんな時でもあらゆる商品と交換できるようになります。
物々交換では、お互いがお互いの所有している商品を欲しいと思わなければ取引が成立しません。
一方で必要な金額さえそろえれば、コインはどんな商品とも交換可能です。
このようにコインには、あらゆる商品に替えられる交換機能があります。
価値貯蔵機能
自分で製作した商品のうち、売れなかったり余剰として保存するものもあるでしょう。
たとえばこれが食品であった場合、一定の期間で腐ってしまい価値が失われてしまいます。
しかしコインは金属で作られているため、余剰資産として保存しておけば半永久的に失われることはありません。
このように自分で作った商品や提供したサービスをコインに変えて貯蔵できるのです。
アンティークコインの価値を決める要素
アンティークコインは種類によって幅広い価格がつけられています。
中には数百万円以上の価値がついているアンティークコインもあり、どのようにしてその金額になるのか気になる人もいるでしょう。
ここからはアンティークコインの価値を決める要素を解説します。
- 金属そのものの価値
- 希少性が高い
- 人気が高い
金属としての価値
アンティークコインは素材として使われている金属そのものに価値があります。
たとえば金のコインと銀のコインで重さが同じであれば、金のコインの方が素材そのものの価値は高いです。
このようにアンティークコインはまず、素材そのものの価値が価格に付加されています。
希少性が高い
アンティークコインは古いものほど残存枚数が少なく、歴史的な希少性が高い傾向にあります。
たとえば「1000年前に鋳造された、世界に100枚ほどしかないコイン」があったとすれば、歴史的価値は高く感じるでしょう。
アンティークコインにおいて希少性は価格を決めるもっとも重要な要素です。
場合によっては比較的新しい金貨より、とても古い銀貨の方が高い価格になることもあります。
人気が高い
アンティークコインの価格には需要も関係してきます。
アンティークコインは新たに出土などがされない限り、市場に出回る枚数は一定です。
それに対する需要が高まれば、自然に価格も高くなっていきます。
ただし人気は一過性の場合も多く、ブームが過ぎれば価格が下がっていく可能性もあるので注意が必要です。
アンティークコインの投資としての価値が高い理由
アンティークコインは投資価値が高い点から、コレクションだけでなく投資商品としての人気もあります。
そしてその人気によって、また投資価値が高まっていくのです。
ここからはなぜアンティークコインの投資価値が高いのかを解説します。
- 価値変動の少なさ
- マーケット拡大の可能性
- 管理が簡単にできる
- 節税対策
- 換金がしやすい
価格の変動が少ない
アンティークコインは数ある投資商品の中でも価格変動が少ない商品と言えます。
たとえば株や債券、不動産は景気変動の影響を大きく受けるため、価格が安定しません。
また、最近出てきた仮想通貨も大きな利益を狙える一方で下落リスクも大きいです。
このように投資商品の中でもポピュラーなものは価値の裏付けがないため、価格が不安定になります。
しかし、アンティークコインにこのようなリスクはほとんどありません。
アンティークコインは金属でできているので、素材そのものの価値が担保されており、歴史的価値も価格に上乗せされるため、アンティークコインの価格は基本的に右肩上がりの変動をすることが多いです。
アンティークコインの価値を下げる要因として、ブームが終わったり新たなコインの出土があげられますが、このうち出土はめったに起きない出来事かつ予測もできないので、アンティークコイン投資の際に過剰に警戒する必要はありません。
ブームについては気を付ける必要がありますが、長期投資前提であれば最終的には利益をあげられる可能性が高いです。
このようにアンティークコインは価格の変動が少なく、長期的な利益が見込めます。
マーケットが拡大する可能性がある
アンティークコインは需要が高まる、つまりマーケットの拡大が価格上昇に直結します。
日本ではアンティークコインはまだ認知度が低いです。
そのため、今後アンティークコインが国内でも広がりを見せれば、マーケット拡大とともに価格も上昇するでしょう。
その可能性に投資する意味も込めて、今からアンティークコインへ投資する価値は十分にあります。
もし、今アンティークコインを買っておけば、数年から十数年の間に国内でマーケットが拡大したときに大きな利益がねらえます。
投資は人より早く、価値ある商品に投資することが重要です。
日本のアンティークコイン市場が未開拓だからこそ、価値が高まる余地があると言えます。
管理が容易である
アンティークコインは管理が容易であることも価値を高めている要因です。
たとえば自動車や不動産、絵画などの固定資産は定期的なメンテナンスが必要になります。
価格だけを見ればアンティークコインより高いでしょうが、普段から仕事などで余裕がない人には管理が難しいです。
また、その管理を外注するにしても費用がかかってしまい、利益を目減りさせます。
一方でアンティークコインは小さいのでスペースを取りませんし、ケースに入れておくだけで管理が成立するのです。
そのケースについても鑑定会社がキズや劣化を防ぐために、専用のプラスチックケースに入れておいてくれます。
そのためアンティークコインは購入したら、そのまま保管することができるのです。
この誰でも管理可能な手軽さもアンティークコインの価値を高めている理由と言えます。
節税対策になる
アンティークコインは相続税と贈与税の節税に効果があります。
アンティークコインを相続する場合、その価値は「売買実例評価額」もしくは「精通者意見価格」が重要です。
「売買実例評価額」は類似する商品がどれくらいの価格で取引されているかを参考に決まります。
「精通者意見価格」はその商品の専門家、鑑定士などの意見によって評価された価格です。
この2つの価格は、相続のタイミングで実際に取引する際の価格と異なる場合があります。
もし相続税対象の評価額が実際の取引価格よりも安ければ、その差額分だけ節税効果が生まれるのです。
また、贈与税についても年ごとに分割することで節税効果が見込めます。
贈与税には年110万円の基礎控除があるので、この金額以下の贈与であれば課税されません。
そのため複数のアンティークコインを所有しているなら、子どもや孫に少しずつ贈与することで節税できます。
何年も非課税で贈与をすることによって、最終的な相続税の節税にもつながるので積極的に活用したい方法です。
換金がしやすい
アンティークコインは伝統的な取引実績のある投資商品です。
そのため世界各国で取引できて、現物さえあれば換金が簡単に行えます。
日本円を替えるよりも、アンティークコインを直接ドルやユーロに替えられるので外貨が欲しい人におすすめです。
また、株式などのように将来価格を予測する必要がなく、トレーダーの介入もないので売却のタイミングに悩まなくて済みます。
アンティークコインの価値を保つ方法
アンティークコインにおいて重要なのは価値をしっかりと保つことです。
ここからはその方法について解説します。
逆にこれをしてしまうと価値が落ちるというものもあるので、しっかり把握しましょう。
- メンテナンスはNG
- スラブケースに入ったコインを選ぶ
- コインが相場の変動を受けないものか確認する
- ブームが来ていて割高なコインの購入は避ける
自分でメンテナンスをしない
アンティークコインを保有したときにやりがちな失敗として、メンテナンスがあげられます。
これはアンティークコインについているキズや汚れが気になってしまうことが理由です。
確かにメンテナンスをすれば、アンティークコインが本来の光沢を取り戻し、価値が上がったように感じます。
しかし実際はメンテナンスをしてしまったためにアンティークコインの歴史的価値が失われ、価値が減ってしまっているのです。
アンティークコインについたキズや汚れは歴史的価値を証明するもので、価格上昇につながります。
購入したアンティークコインはどんなにキズや汚れがあっても、手入れせず自然の状態にしておくのが一番なのです。
スラブケースに入ったコインを購入する
スラブケースはコインを厚い板に押し込み、それをケースの中で保管することでキズや汚れを保存します。
こうすることでケース内部でコインが固定され、価値が守られる仕組みです。
「スラブ」という言葉は「厚い板」を意味しており、スラブケースに保管されたコインは基本的に取り出しができません。
スラブケースは少しかさばりますが、これによってコインに外部から手を加えることは困難になります。
鑑定後、スラブケースにコインを保管することによって、その価値を明確に証明可能です。
そのため、コインがスラブケースに入っているかどうかは必ず確認してください。
金相場の変動の影響を受けないコインを購入する
アンティークコインの中でも金相場の変動の影響を受けるものは避けた方がよいです。
金は比較的安定した商品ですが、それでも価格が下落するケースがあります。
もしそういった相場の変動が起きると、コインの価格もそれに比例した下落してしまうのです。
アンティークコインは歴史的価値や需要など、ほかの要因によっても価格が決まるため、本当に価値があれば投資してもよいでしょう。
しかし特に初心者は、できるだけコインの価値が変動する要因を減らすのがおすすめです。
一時的に価値が上昇しているコインの購入を避ける
アンティークコインはタイミングによって人気が高まり、価格が急激に上昇するケースがあります。
このときに短期的な利益を目的にして、そのコインに投資するのは避けましょう。
このような状況では、人気が落ち着いてくると価格も本来の適正なものまで下落していきます。
そうなると購入価格より、評価額の方が低い含み損の状態になってしまうのです。
アンティークコインは本来、長期的な利益を目的とした投資商品です。
短期間で急激に価格が上昇しているアンティークコインの購入は避けてください。
【アンティークコインの価値が高いとされる理由とは?価値が高い理由と価値が上がる要因を解説】まとめ
アンティークコインの価値は時間とともに高まっていきます。
そのため投資商品として扱うのであれば、長期的な視点が重要です。
また、単なる投資商品としてだけでなく、節税対策にも使えて、保管が容易というメリットもあります。
日本ではまだまだアンティークコインの知名度は低く、市場は未開拓です。
しかし今後、日本でも欧米のようにアンティークコインの価値が注目される可能性があります。
株式などと違って、価値変動も小さいので投資初心者におすすめです。
もしこの記事を読んでアンティークコインの価値に興味を持った人は、ぜひアンティークコインの購入を検討してみてください。